幾度となく訪れた街、スペイン、アンダルシア地方のグラナダ。
レコンキスタ（キリスト教徒による再征服活動）において、イスラム最後の砦となったグラナダは数百年経った今でも色濃くアラブ文化の名残を感じさせる街である。
まるでイスラム芸術のアラベスクのように、色や匂い、言葉、音楽、人種が混ざり合い、多様な光が混在した街に、私は強く惹かれる。夕暮れが近づくと、必ず旧市街の丘の上へ登る。そこから見下ろす夕陽に照らされた街とアルハンブラ宮殿は赤く、美しく、ひときわ輝きを放つ。次に訪れるときはいったい街はどんな表情を見せてくれるのだろう。異文化の調和によって生まれたこの街の変化を、いつまでも見守り続けてゆきたい。
Book：”Al-Andalus” OUKA SHUPPAN
